3. タチモト丸(舘本時計製造所)
タチモト丸 TUKYO
十吋 |
八吋??塗 |
この時計は文字盤硝子が膨らんだタイプが付いており、
兎の佐藤時計も同じ硝子を使っていて、製造元が同じことをうかがわせます。
タチモトは丸SマークとTUKYOと入ってます。
タチモト丸シリーズのC
八吋第六奉祝ABCタチモト丸シリーズのC |
館本時計商報のカタログ図版(昭和初期) |
昭和初期の名古屋タチモトが「タイガース優勝」を見越して世に送り出した有り難〜い時計です(笑) 文字板は八吋、全長43cm、文字板にタチモトのSにTUKYOの文字、甲高ガラスです。
右の昭和初期の館本時計商報のカタログ図版を参照して下さい。図版の文字が欠けてしまいましたが、
この時計は、「八吋第六奉祝ABCタチモト丸シリーズC」であることがわかります。
また、カタログには「全長一尺四寸五分、独特の鳴金及鳴金台、昭和塗・・」と有ります。
実はこのデザインは虎ではなく、波に千鳥らしいです・・・あれ?
変わり掛時計を販売した舘本
舘本時計は大正末から昭和初期にかけて変わり掛時計を多く販売した卸商です。
製造会社としては、組合名簿にも統計にも名前が出てこないのですが、
昭和初期にはカタログ「舘本時計商報」を発行して以下のような各種の変わったケースのボンボンを販売していました。
文字板に丸SとTUKYO(ローマ字ですからUの上に棒 ̄が有ります)と入っていて、
文字板硝子は平らで無く凸状に膨らんでるオーバル硝子を採用してるので顔にとても表情があり、
また、塗りがブロツク塗り、合理化塗り、猛虎塗り、竹塗り、楢樫塗り、磯草塗り、爆竹塗り、昭和塗り、牡丹塗りなど
派手な塗りをしてあるため、大変雰囲気のある時計たちです。
舘本時計製造所と佐藤時計の関係は?
佐藤時計と舘本時計はトレードマークが似ていて、デザインも同じようなものを販売しているので大変混乱させられます。
販売提携をしていたのか?資本が絡んでいるのか?その辺の解明が必要と思われます。
昭和初期には卸商で自分の工場を持たずブランドだけで商売してる人は結構いたようです。
佐藤の時計をあまり沢山見てないため比較するにはサンプルが少なすぎて断定は出来ませんが、
舘本時計の文字板でありながら振子室に佐藤のラベルのついた時計も存在することから、
舘本時計製造所は実態は製造をせずOEMで佐藤時計から供給を受けていた可能性があると考えています。
皆様の情報、意見を頂戴したくよろしくお願いいたします。・・・
と、お願いしましたら、なんと情報を頂戴しました。
やはり、佐藤時計が舘本時計も製造していたのですね。
佐藤時計の創業者信太郎の曾孫さんより
舘本時計製造所と佐藤時計の関係ですが創業者・佐藤信太郎の長女が当時卸関係の仕事をしていた舘本家へ嫁いでおります。 佐藤時計は松坂屋ブランドの時計も製造しており、同じように舘本ブランドも製造していました。 舘本は佐藤時計の卸し先のひとつです。 最初は佐藤時計に舘本ラベルを貼って販売していましたが、 後に舘本側からのデザイン提案を取り入れた製品を製造するようになりました。 丸Sマークについてですが、切れ込みのある丸の部分は舘本のTではないかと父が言っておりました。・・・ 2005.1.15
舘本と佐藤、同じラベルを発見!
8インチ花形Aタチモト |
佐藤のラベル |
佐藤と舘本はほとんど同じラベルを使っていたようです。