1. G.C.T. Master Navigation Watch
メーカー | 製造開始年 | 大きさ | 主な仕様 |
---|---|---|---|
HAMILTON(アメリカ) | 1942年 | 5.2×1.6cm 110g |
22石、6姿勢調整、 ハック機能付きセンターセコンド、 KEYSTONE社製ケースねじり蓋 |
第二次世界大戦時代に米国海軍と陸軍(陸軍航空隊)用に製造された代表的なナビゲーションウオッチで 通常4992B GCT (Greenwich Civil Time)と言われています。 モノの本によりますと、1941年から1946年の間に96,082個製造されたとあります。 24時間表示の外側に60秒までのメモリが刻まれた特徴的な文字板で、慣れるまで時間が読み取り難く感じました。
発見したのは骨董市。時計や軍用品を扱う業者さんではなく、 ありふれた骨董品を扱っている業者がたまたま時計を売っているという感じのところで、 国産の普及品の中古腕時計に混じって懐中時計がこれ一つだけありました。
おやっ、と思い手に取るとなんだか雑誌で見たような・・・裏を見るとミルスペックと呼ばれるアルファベットと数字の記号がズラズラと、
そして最後にHAMILTON WATCH CO.の文字が、、
おっ、ハミルトンだ!
オヤジに声をかけてからゼンマイを巻くとゼンマイが切れているのかと思うほど巻けて、40〜50回巻いたら
ようやく巻ききった。良い音で動いている。
再度声をかけてネジ式の裏蓋を開けて見る。
「おおっ、巻上げヒゲにスワンネック緩急針のついたすばらしい機械だっ!」
感動してしばし見入る。
オヤジに精度がでているか聞くと「わからん!」と言うので、自分の時計と同じ時間にセットして必ず戻るから
売らないように約束をして他を一時間ほどウロウロ、戻ると他の客が手に持っているのが見えた。
「ヤバイ!」と思ったら、オヤジが「その時計は他のお客さんが時間を合わせて確認しているところだから売れないよ」とちゃんと断っている。いいオヤジだ〜。
そのお客さんにペコリと挨拶をして時計を受け取り時間を確認すると、バッチリ精度がでている。よっしゃ、
ということでちょっと値切って購入したのでした。
使ってわかったのですが、この時計ゼンマイをいっぱいに巻くと60時間ちかく動きます。いつオーバー
ホールしたかわからないけど日差+5秒と精度も文句ナシ、さすがナビゲーションウオッチ、かな?
ついていた提げ紐も如何にも軍用っぽい色で良い感じです。
以上、一部実況中継をまじえ興奮気味でお伝えいたしました!!
機械
裏蓋に刻まれている文字
当時(1942年頃)のHAMILTON
1942年といえば前年の12月に日本の真珠湾戦争攻撃をきっかけとして戦争真っ只中で、 この時計が作られた頃はハミルトンも軍需品優先の生産体制で一般向けの時計作れずこんな広告を出していました。 上画像は、「トムとポリーの手紙」(1943年ESQUIREの14ページの掲載広告)といわれる広告です。 戦場にいるトムが「ポリーにクリスマスプレゼントのハミルトンの時計を贈りたいけど戦争が終るまでは時計 (プレゼント用の)を作っていないのでプレゼントが見つからない。 きみのところへ贈った戦時国債でいつの日か欲しがっていたプレゼントが手にできるよ」 って感じの内容です。 右下にはこんなふうに書かれています。
A GIFT WORTH WAITING FOR --- HAMILTON !
Tomorrow's Hamilton will be a gift of gifts.For Hamilton watch-makers are spending all their war-days in making such vital time instruments as the marine chronometer,chronometer watch, master navigation watch and many other highly precise timing instruments. And they're learning precision secrets that will make the postwar Hamilton a watch well worrth saving for. While you wait,buy War Bonds --- speed the day!
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