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目覚し時計を買ってみよう |
「ぜんまい目覚しもいいかも」と思ったら、とりあえずひとつ手に入れてみよう。
腕時計や懐中時計と違って専門店なんてありませんので、やっぱり骨董市でしょう。
こんなこと書くと怒られそうですが、骨董市は保証のないジャンク品の集まりだったりします。
目覚ましは相場が低いので、まともに手入れして売られることはほとんどありません。
そんな理由からも、骨董市で出会える確率がとても高いといえます。
たくさん時計を扱っているお店は、値段はそれなり。ひとつ、ふたつしか置いてないお店では、 値段が高いか、逆に極端に安い掘り出し物が見つかったりします。
最近では、ネットオークションで安く買えることもありますが、こちらもほとんどがジャンクなので 入金の手数料や送料を考えて冷静に入札しましょう。(笑)
個人的にはリンが上にのった 大正〜昭和初期の紙文字盤 が好きなんですけど、これはいい状態のものは 少ないし、値段も若干ですが高めです。
初めて買ったものがちゃんと動かないと悲しいので、とりあえずのひとつめには機械が良くできていて 良い状態で残っていることが多い昭和30年代の SEIKO CORONA シリーズをおすすめします。
はじめに全体の様子をよ〜く見よう
気になる時計があったら、まず全体の汚れや錆び・腐食、傷の具合を注意深く観察します。
全体の様子から、その時計が今までどんな風に扱われてきたか想像できるからです。
たとえば、ゼンマイを巻くかぎのメッキの落ち具合とその周りの傷の多少でどれだけ使われたかが見当 つきます。
針や文字盤が傷ついている場合は、適切な道具を使わないで修理された場合が多いので、中の機械の具合 もあやしいです。
裏蓋の止めねじが笑っている(マイナスのねじが傷ついてがたがたになっている)のは何度も開けられた 証拠で具合が悪かったのかもしれません。
まれに、全体が妙に油っぽいものがありますが、こういう時計はとりあえず動かすために機械全体にスプレー式 潤滑剤を吹きつけられた可能性があります。こんな時計は文字盤が紙製の場合少しすると濡れたような茶色に変色して しまいます。
金属製文字盤の塗装にプツっと錆びが浮いていたり、裏蓋の止めねじに赤錆が浮いていたら、湿気の多い ところに保管されていた可能性が高く、機械の鉄でできている部分もかなり錆びていると思って間違いない でしょう。
部品は揃っている?違うものがついていたりしない??
目覚し時計には、いくつかなくなりやすい部品があります。
◆なくなりやすいベスト5◆
これらの部品がちゃんと付いているか、また代用部品が無理矢理取り付けられていないか確認します。
万一、欠品していても「どうしてもこの時計が気に入った」ということであれば、これらの部品は汎用性が あるので気長に探せば見つかります。
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@目安まわし(目覚しの時間をセットするつまみ)
ねじ込みのつまみのため、反対にまわすとポロリとはずれてしまい、なくすことが多いようです。
A針まわし(時計の針をまわすつまみ)
ときどき、Aの針まわしを強引にたたきこんであるものがあります。この場合、ねじ山がつぶれてしまうので あとで本来の部品が手に入っても取り付けられないことがあります。
針まわしは、時二番真をくわえるように押し込んであるだけなので引っ張ると簡単にはずれてしまいます。 特にリンが上についた古いタイプの目覚ましは、真ちゅう製で材質が柔らかいので、ゆるんではずれやすい ようです。 ゆるんだものをペンチなどでギュッとつぶして応急処置してある場合がありますが、こういうものは、 またすぐにダメになったり突然ポロリと折れたりします。
B鳴り止め(リンが上についている目覚しの場合)
Cリン止めねじ
裏蓋(リン)を止めているマイナスのねじです。通常三つでとまっています。 目覚ましをセットした時間に打ち玉が裏蓋をたたく振動で少しずつゆるんではずれるのかな?
D時かぎ、打かぎ
ちゃんと動く??
外見のチェックが済んだら次は動作確認です。
まずはじめに、売り主さんに一言ことわってから、時かぎ、打かぎを裏蓋に書かれている矢印の方向に まわしてゼンマイを巻いてみます。この時、かぎは4〜5回だけ中途半端に巻いたりせず重くなるまで いっぱいに巻きます。ちょっとだけ巻いたのではゼンマイ切れに気づかないことがあるからです。
モノによって違いますが、時かぎで15〜20、打かぎで10〜15回でだいたいいっぱいに巻けるはずです。 いくら巻いても重くならない、また巻いている途中でパチンパチンと音がする場合はゼンマイがきれて いるかはずれています。 時かぎのほうがダメなら時計は動かない、打かぎのほうがダメなら目覚ましが鳴らないということにな ります。
両方のゼンマイがきちんと巻けたら、調子の良い時計だったらもうカチカチと動いているはずです。 ちょっと恥ずかしいかもしれませんが目覚ましも鳴らしてみましょう。既にゼンマイは巻かれていますので 目安まわしで目安針をその時計が示している時間にあわせるか、逆に針まわしで時計の針を目安針の時間に 合わせます。
ジリリーンと鳴ればとりあえず合格、一番上の取っ手のあたりにあるストップボタンを押してベルを止めましょう。 ん、ジリリーンじゃなくてカカカカッっと音がする?、たまにあります、そういうのが。でもこれは簡単に直るので方法は 「修理コーナー」でご説明します。
さて、問題はゼンマイを巻いたのに(はじめから巻かれた状態になっているのに)動かない場合。
そんな場合は、時計を軽く左右に振ってみます。軽くですよ。カチカチ・・・動きましたか? 動き出して止まらないようであればたぶん大丈夫。
カチカチと10回くらいは音がするのに止まってしまう、そんな時計は油切れか中に埃がたまっている可能性が高いです。 でもこんな時計は、ほとんどの場合、ちょっと修理すればちゃんと動くようになります。
いくら振ってもまったく動く気配がない(ほとんどカチカチと音がしない)場合、これは時計の心臓部ともいえる脱進機 まわりがダメになっている可能性が大です。部品取りとしてならOKですが、そうでない場合は敬遠したほうが良いでしょう。
とりあえず動いたら、精度はどうか?、1日以上ちゃんと動くか?、針はちゃんと動くか? (カチカチ言うだけで針が動かないものがまれにあります)などをチェックしたいところですが骨とう市などではそこまで チェックできないので、後は運を天にまかせましょう。(笑)
さて、値段は??
古いものなので値段はあってないようなもの。もちろん、店によって値段もマチマチ。 だから自分でこれくらいだったら買おう!という基準をつくっておくのがいいと思います。
ちなみに、私の場合は、状態がまあまあで動けば
SEIKO CORONA系なら、3,000〜5,000円
大正〜昭和初期の紙文字盤系(間欠ベル含む) なら、5,000〜8,000円
くらいを判断基準にして値段交渉しています。
これより安い場合は、「掘り出しモノ(^_^) しめしめ」と心の中でにこにこするわけです。
売り側にも、仕入れ値があると思うので値段があいそうになければ強引な値切りはしないで、その時計とは縁がなかったとあきらめます。 箱付きやデッドストックなどで状態がバツグンに良い場合はプラスαで考えます。
こんな時計は要注意!!
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左の画像は、精工舎の間欠式ベル「INTERMITTENT」の夜光文字盤です。
おかしなところがあるのですが、わかりますか?答えを見る
↑クリックすると答えがでます
夜光文字盤なのに針に夜光塗料がない!!
時計が壊れたので修理したらこうなってしまった・・・というのであれば仕方ありませんが、売ること(お金もうけ)を目的に壊れた時計の部品を 組み合わせて作られた時計だとしたら、とても悲しいことです。
文字盤の数字だけ光っても意味ないので、こんな時計はありえません。
文字盤か針のどちらかが本来のものでないんでしょうね。
機械はちゃんと間欠式ベルなのでオリジナルのようです。
逆に、針に夜光があって文字盤にないものはきちんとした製品としてありますので勘違い されぬよう注意願います。
いろんな部品を合体させて作った時計は、どこかバランスが悪いもの。 変な時計をつかまされないよう、良く観察しましょう。
骨董市は、日の出から日没までが開催時間のところが多いのですが、実は、朝の薄暗い時間が勝負の 「早い者勝ち」の世界です。
気に入ったものが見つかったら、他を見てから・・・なんて思っていると逃してしまいます。時には、時計を置いた瞬間にとなりの人の手が でてきて買われてしまうこともあります。
一度手にしたらとことん観察して、気に入ったらすぐに買ってしまう。これが後悔しないコツです。
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